クローズアップ現代+の感想

北川景子久保田祐佳アナのいずれをとるか迷いましたが、さすがにこの仕事をしていて今回見ないわけにはいかないので後者を選択しました。

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番組で取り上げられたテーマのうち、私が気になった点に絞って感想を書いてみます。

1.標準管理規約に関する説明が不十分
「どうするマンショントラブル!?『新ルール』で住民激震!?」がタイトルだったわけですが、取り上げられた「新ルール」は建替え決議要件と改正標準管理規約でした。

心配していたとおり、番組では標準管理規約について「マンションの憲法」「新ルール」と説明されていました・・・大きな誤解を生みそうです。

私の過去のブログで再三しつこく書いてきたとおり、標準管理規約はあくまで国交省が作成する「モデル」であり、法的拘束力はありません。

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しかも、番組で示された「価値による議決権区別」は改正標準管理規約に直接盛り込まれているわけではなく、標準管理規約へのコメントで示された一つの考え方の例に過ぎません(つまり、モデル中のモデルです。)。

管理規約は各管理組合が定めるものであり、標準管理規約を「参考」にすることもできますが、無視することも可能です。
番組の説明の仕方では、あたかも改正標準管理規約が法的拘束力を有しているとか、各管理組合の規約が自動的にそれに変更されてしまうかのような誤解を生みかねないと懸念されます。
番組としてはまず「モデルに過ぎない」という大前提を説明すべきであったと思います。
※9月1日編集:上記番組HPの「質問コーナー」にて、「改正された標準管理規約は必ず採用しなければならない?」に対する回答として「ひな型である」旨の説明が加えられたようです。

2.長期間合意形成に努力した団地
20年も前から危機感を抱いていた団地理事長さんが丁寧に所有者間のコミュニケーションを図った結果、最終的に建て替えではなく修繕・維持が全会一致で選択されたケースが紹介されました。
この団地では「住民が共に楽しめる場を作る」という理念により、週末の「語らいの場」や「集会所カフェ」や夏祭りを開催して一体感を醸成し若い世代も増やしたのことです。とても素晴らしい取り組みだと思います。
「人がつながることを信じた方がいい」という理事長さんの言葉が印象的でした。

コミュニティー活動に関し消極的なご見解の福井先生も番組でコメントされていましたが、こうした団地の活動や成果についてどのようにお感じになられたのでしょうか。

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3.應田治彦さんの活動とリーダーの資質
修繕積立金の大幅値上げへ向けた努力と工夫が紹介されました。
これが「自分たちの問題だ」という意識の重要性を浸透させるべく、一人だけのための説明会を開き、管理組合が運営するHPで情報を発信し、お年寄りのためには大きな文字のチラシを用意するといった工夫をし、9割の賛成を得て実現したとのことです。
管理組合のリーダーが豊富な知識や高い理想を備えているに越したことはないですが、それらよりも、他者への配慮ができる心が求められると改めて感じました。

4.マンションと人付き合い
番組のゲストであった室井佑月さんは「挨拶程度で済ませたいからマンションを選択した」とのことでした。
しかし、その目的でマンションを選択したことが私には理解できません。
建物の構造だけを見ても、マンションは戸建てよりも人間関係が密接になることを容易に想像できると思います。
これからお住まいを選択する方は、「極力人付き合いを避けたい」のであれば、マンション購入はお勧めしません。物理的にも法的にも人付き合いを避けて通れませんから。

5.家売るオンナ
番組終了後直ちに日テレに移りました。
篠田麻里子も決して嫌いではないのですが、北川景子の美しさが際立ちますね・・・。

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