秋の新ドラマと民泊と管理規約と国交省

「家売るオンナ」に続き、今クールは不動産ドラマが目白押しです。一通り(第2回まではまだフォローできていないため)「初回を見た限り」の薄っぺらい感想を。各ドラマのあらすじ等は適宜ググってください。

1.砂の塔

www.tbs.co.jp

撮影協力マンションはブリリア有明スカイタワーのようですが、窓から見えるのはファミール月島グランスイートタワーかな?という点はさておき、サスペンスとしては面白そうです。
ただ・・・いくらなんでもタワマンの奥様方をバカにしすぎじゃないかと・・・。
そして仕事柄気になるのが、松嶋奈々子演じる佐々木弓子が専有部分でフラワーアレンジメント教室を開いており、これが規約に抵触しないのかという点です。内装を見る限り一度に大勢が立ち入るわけではなさそうですから、形式的に抵触していても黙認なのかなと。

2.吉祥寺だけが住みたい街ですか?

www.tv-tokyo.co.jp

マンガの実写ドラマ化。
原作に忠実に実際の街歩きを中心とした作品で、全体的にはとても良いのですが、大島美幸の演技が少々過剰ではないかなぁ。安藤なつも、どうせなら側頭部を刈り上げればよかったのに。今後どんな街を訪れるのか楽しみです。

3.プリンセスメゾン

www.nhk.or.jp

こちらもマンガの実写ドラマ化。
シン・ゴジラに続き高橋一生がとても良い。沼越さんを演じる主演の森川葵も好印象。初回を眺めながら志田未来でもよかったかなと思いましたが、彼女は小田急不動産で頑張っているので「持井不動産」のモデルルームに通い詰めるわけにはいきません。

4.拝啓、民泊様。

www.mbs.jp

侮っていました。今クールの不動産ドラマの中では然程期待していない方だったのですが、結構面白かったです。新井浩文中野裕太が良い。
古民家民泊で成功して味を占めた新井浩文が自宅マンションにまで手を広げて管理組合とガチバトルの末に悔い改めて組合活動に熱心になり盛大に夏祭りを開催してマンション管理士試験に合格する、という展開を期待したいところですが、無理ですかね。

・・・実は、ここが今回の本題です。

このように新井浩文演じる山下寛太は今のところマンションでの民泊経営に手を出していません。しかし、私の妄想どおりになったら、このマンションの管理組合はどのように対処すればよいのでしょうか。

・・・という点について、私は本ブログやtwitterで持論を述べてきました。

momoo-law.hatenadiary.jp

twitter.com

要するに「民泊を認めるか認めないかについて管理組合の態度をはっきり決め、その意思を明確に規約に反映させておくべき」ということです。
とはいっても、シェアハウス・民泊禁止規約の公開で一躍有名になったブリリアマーレ有明管理組合のように、自力で適切な規約を検討することは容易ではありません。

bma33.com

そんな大多数の管理組合の参考になるのが、国交省が作成する規約のモデルである標準管理規約です。ちょうど今年3月にその改正がなされ、本ブログでも主にコミュニティ条項について取り上げました。
ところが、この改正においては民泊の可否を明示する文言例は示されず、「専ら住宅として」という同規約既存文言の解釈論争が続いていました。
そのため、私はかねてから「(標準管理規約の解釈がどーのこーのと議論をしている時間があるのなら)行政がさっさと民泊可否文言例を示すべき」と述べていたわけです。

そして本日下記報道によると、国交省が「可否両方の規約文言例を作成して関係各所に通知し、可否を明示するよう求める。」という方針をようやく打ち出したようです。

www.asahi.com

実際にどのような文言例が作成されるかはまだ分かりませんが、民泊を禁止しようとしている管理組合や、そもそも態度を決めかねている管理組合の皆様は、この機会にこれを参考にじっくり検討し、対策をとっておくよう強くお勧めします。