マンション管理士試験受験生の皆様へ -ささやかなプレゼントつき-

平成29年度マンション管理士試験 実施要領
公益財団法人マンション管理センター|マンション管理士関係|マンション管理士試験|

今年のマンション管理士試験が11月26日に(日)に実施されます。
残り1週間を切り、受験生の皆様は最後の追い込みをかけている頃でしょう。

私は平成22年秋に受験して合格し,翌23年にマンション管理士登録をしました。
民法や区分所有法を中心とする法律試験の色合いが強い試験ですから,受験の予定を周囲に公表していた当時は「弁護士が落ちたら恥ずかしい」などとプレッシャーをかけられていました。
とはいえ,知人弁護士が数人落ちていますので(つい最近も親しい弁護士から「去年落ちた」と打ち明けられました。),集中的・体系的に法律を勉強したことが無い方にとっては決して簡単な試験ではありません。
また、本業や管理組合業務もこなさなければならない皆様は、勉強時間も確保し辛いのではないでしょうか。
そこで,(私を含めおそらく受験生の多数を占める)文系で建物・設備関係に詳しいわけではなく,わずかな勉強時間で合格を目指す方向けの勉強方法をご提案してみます。

勉強に対する基本的なスタンスは、先日ご紹介した宅建試験と同じです。

momoo-law.hatenadiary.jp

「どこまで多くの範囲を勉強できるか」よりも「どこまで勉強する範囲を絞れるか」
がポイントです。
まず,出題分野を網羅的・均等に勉強するのではなく,出題数の多い民法,区分所有法,標準管理規約,標準管理委託契約に多くの時間(イメージでは7~8割)を費やすのが良いと思います。
特に民法は短期間で身につけることが難しいので,初学者の方は我慢強く民法から取り組むのが結局早道になりそうです。
そして、区分所有法,標準管理規約,標準管理委託契約については条文知識をそのまま聞かれる問題(ひねってあるように見えても「結局条文を読めば分かる」問題)が多いため,参考書などで概要を理解できましたら「条文の素読」が効果的です。
参考書で身につけた知識を条文と結びつけることでより記憶が定着するはずですから,例えば「3日で1周」などと決めて何度も何度も繰り返すことをお勧めします(理解と記憶に応じて読むスピードも速くなります。)。条文,規約・契約の条文をそのまま読み込み,条文の欄外などに参考書知識や要注意点を書き込んでしまい,条文自体を自分用テキストにしてしまうのです。

このように条文ベースで勉強すると,例えば「標準管理規約38条2項の『管理者』は,区分所有法25条の『規約に別段の定め』に基づく規定」であるとか、「区分所有法35条1項では『集会』の招集通知は1週間前までに発信」と規定されているが標準管理規約43条の『総会』では2週間前とされている」とか、「別の定め」が「規約だけでできる」のか「集会決議でもよい」のかなど、区分所有法と標準管理規約とのリンクも頭に入り易くなりますし,ひっかけ問題にひっかからなくなります。
これらはいずれも条文数が然程多くないので,参考書を読み込むよりも記憶すべき情報量を抑えることもできると思います。

その他の分野(特に建物・設備)については,私は参考書を一度流し読みした後は,過去問と解答をひたすら解かずに「読み」ました。当初は全く分かりませんでしたし(当然,参考書流し読み程度ではやっぱり分かりません),一から勉強する時間もなかったので。
ただ,これらの分野は結構同じような問題が繰り返し出題されていましたから,この方法でもそこそこ当てることができました。もちろん時間があれば参考書できちんと勉強すべきですが,そうでなければこの方法でも何とかなります(ので,時間がなくても諦めないでください。)。

要するに法律分野に重点を置いて,これらにおいては8~9割以上の正解率を目指し,残りはある程度運に任せるという方法と言えます。法律分野で運を期待しても外しますし,建物・設備に時間を割いてもなかなか高い効果は得られないと思うためです。
そのためのコツとして私がお勧めするのが上記「条文の素読」であるところ、これを行うにあたって、標準管理規約と区分所有法との関連を意識するととても効果的です。

そこで「標準管理規約と区分所有法の対照表」を作成し、PDFをURL化しておきました。
「標準管理規約をベースに、その各条項に対応する区分所有法の条項はどれであり、そこにはどのように規定されているか」をただ並べただけの手作り感満載の資料ですが、これを淡々と読み込むことで、結構点数を稼げるのではないかと思います。
http://d.kuku.lu/e70e319393
(「ファイルなう」というサイトに飛びますので、そちらからダウンロードしてください。)
もちろん、このデータはご自由にダウンロードしていただいて結構です(代わりにと言ってはなんですが、本ブログについてブックマーク、シェア、ツイートなどしていただけると嬉しいです。)。
ただ、慌てて作りしかも殆ど見直しをしていませんから、間違いなどは少なからず混じっていると思います。しかも、標準管理規約部分のコピペに際して「改正前(しかも平成23年改正の前w)」のものをベースに作り始めてしまうという信じ難い凡ミスを犯してしまい、その後修正したという経歴のある資料です。少しでも疑問に思ったところは、原典にあたって確認してください。
言うまでもなく、この資料の正確性やダウンロードの過程で生じた事象について私は一切責任を負えませんので、ご留意ください。
 

それでは、マンション管理士試験頑張ってください。