規約の悪魔との戦い方 -改正区分所有法・標準管理規約編-

デンジ君はさ、標準管理規約に準拠した規約と準拠していない規約、どっちがいい?

大変ご無沙汰しております。
ブログの更新をサボってチェンソーマンを見たり五十肩なのにテニスにハマり脳みその中から「やめろ馬鹿」と喚かれているうちに2026年になってしまいました。
間もなく冬季オリンピックWBCで更に眠れなくなり瞳孔バチ開きそうですが、このブログをご覧になっている皆様にはもっと大事な用事があるはずです。

今年4月1日に改正区分所有法が施行される予定であり、これに合わせて昨年10月に改正標準管理規約が公開されました。

www.mlit.go.jp

皆様のマンションの規約も同法に合わせて変更しておく必要があります(・・・厳密にいえば変更しないならしないで何とかなるのですが、そのあたりを含む詳しい法的・学術的な問題を知りたい方は、私なんかではなく偉い先生方による書籍や論稿をご参照ください。このブログは今年も「分かり易く実践し易く参考にし易いけれど正確性は保証しない」というスタンスで運営します。)。

さて、「国交省サイトには『新旧対照表』や『改正箇所見え消し(word)』も掲載されているのだから、それに準じて規約をいじればいいだけだろ。」という声も聞こえてきますが、規約の悪魔はそんなに甘くありません。

例えば、改正標準管理規約第31条の2(組合員名簿等の作成、保管)をご覧ください。
同条は今回新設(というより移設)された条文であり、その3項には「第19条3項又は前条の届出があった場合」とあります。
そして、この引用されている標準管理規約19条3項は「第1項の場合において、区分所有者は、当該第三者に、専有部分を借用した旨の届出を管理組合に提出させなければならない。」という規定です。

・・・皆様の規約の19条はちゃんとそのような規定になっていますか?全然関係ない条項ではありませんか?

規約には「別の条項の引用」がちりばめられており、「条」のみならず「前条」「第〇項」「第〇号」「前〇項」などが次々と襲ってきます。

規約の悪魔を倒すためには、これらの整合性を全て確認しなければなりません。
しかも、このような改正は今回だけではありません。皆様のマンションが存続する今後数十年間、標準管理規約の改正は何度も行われるはずですから、そのたびに根源的恐怖の悪魔である面倒の悪魔とも戦わなくてはなりません。

そこで、「基本的には標準管理規約に準拠しているけれど、所々魔改造により条文番号が標準管理規約とズレてしまっている」という規約を採用している皆様にご提案です。

この機会に規約本文だけではなく条文番号も標準管理規約に揃えてしまいましょう。
それほど難しくありません。例えば、このような状況を想定します。

標準管理規約
第15条(駐車場の使用)
第16条(敷地及び共用部分等の第三者の使用)
第17条(専有部分の修繕等)
第18条(使用細則)

皆様の規約
第15条(駐車場の使用)
第16条(狐の悪魔の使用)
第17条(敷地及び共用部分等の第三者の使用)
第18条(専有部分の修繕等)

以下、条文番号がズレてしまいます。ズレが1条分だけであればまだマシですが、途中でこれが2条分になったり、また1条分に戻ったりすることも珍しくありませんから、結局全て確認せざるを得ません。

そこで、皆様の規約(狐の悪魔の使用)を「第15条の2」とし、(敷地及び共用部分等の第三者の使用)を「第16条」にします。
このように固有の条項は「枝番」とすることによって、それ以外の条文番号を標準管理規約と揃えることができます。
すると、規約中の「他の条文の引用」に際しても、標準管理規約をそのまま採用することができ、確認の手間を大幅に省けます。
更に、一度この変更を済ませてしまえば、今後の標準管理規約の改正に際しても同様に処理することが可能です。

実際、前回の標準管理規約改正時にこの手法を採用した私の顧問先管理組合では、今回の大改正において面倒の悪魔の出現を回避し、規約の悪魔を容易に倒すことができました。

もちろん、枝番が多数になればなるほど規約としての見栄えは悪くなりますが、それを上回る利便性もあると思います。
「『第15条の2』は項番号のようで紛らわしい」ということであれば、例えば「第15-2条」とか「第15.2条」という表記でもよいでしょう。

いかがでしょうか。
改正作業に直面している理事の皆様や、理事会から改正作業を指示されお困りの管理会社の皆様はご参考ください。
「そんな方法では組合員に叱られる。総会でどう対応したらよいか」というご相談も顧問契約により受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
・・・契約に際して体の一部を求めることはありませんのでご安心を。

ダイアパレス白子第2 一時理事長選任のお知らせ

千葉県長生郡白子町所在のリゾート分譲マンション「ダイアパレス白子第2」の組合員一名を代理して同マンション管理組合に係る一時理事長選任を千葉地裁一宮支部に申し立てたところ、令和7年4月30日に認められ、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律75条2項類推適用」に基づき、同裁判所により一時理事長(※)が選任されました。
※千葉県弁護士会所属の弁護士です。桃尾ではありません。

同管理組合においては、平成28年頃から現在まで、ある人物が「任期満了後も規約の規定に基づき引き続き理事長の職務を行う者」として行動していました。
しかし、この期間中総会が招集・開催されず、事業・決算の報告や役員選任決議もなされていませんでした。

これらの事情により、「この人物が区分所有法及び規約に違反して、理事長職務執行者としての職務を著しく怠っており、不正の行為又は法令若しくは規約に違反する重大な事実が認められる」、また、このまま当該人物に職務を執行させておくと「不適切な現状が継続し、適正な手続及び公正な議事運営のもとでの新たな理事長の選任による管理組合の運営の正常化が図られない」と認定され、一時理事長が選任されました。

一時理事長の選任により上記人物の職務権限は全て終了したことから、「ダイアパレス白子第2」の組合員の皆様におかれましては、(従前の職務執行者ではなく)一時理事長による管理組合運営にご協力ください。

なお、「ダイアパレス白子第2」の従前の管理組合運営については、発売中の「ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス」(著者:栗田シメイ 毎日新聞出版)でも紹介されています。

「ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス」中の人による宣伝とブログ記事まとめ

遠慮なく自慢して宣伝したいタイプの人間なのですぐにご紹介しようと思っていたのに、発売から1か月以上経過してしまいました。

かなり売れているようですし実際面白いですから、ネット記事だけでなく是非このルポを読んでみてください。関わった方々の熱意やお人柄やご苦労こそが政権交代の原動力であったことがよくわかると思います。もちろん桃尾もかっこよく登場します。

ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス
著者  栗田 シメイ 毎日新聞出版

ルポでは主に京王プラザホテルで開催された総会の様子までが描かれています。
その後の一連の法的手続については、以下のとおりしつこいほどこちらのブログで経緯をお知らせしてきましたので、詳しく知りたい方はルポに続けて読んでみてください。