ポエムを捨てよ,町へ出よう

先日重たい連載をようやく終えましたので,「このブログを始めるまで」 で書き始めた私自身のマンション購入記を続けてみたいと思います。

なお,言うまでもなく,これはあくまで私の体験記に過ぎません。
いわゆる「購入術」のような情報を得たいと思っている方は,本ブログはボンヤリ眺める程度にとどめ,のらえもんさんの本や最近始まったはるぶーさん達によるスムログの高レベルなブログをご参照ください。 

さて,「 このブログを始めるまで 」では麻布十番駅のトイレに駆け込んだおかげでSUUMOに出会えたところまで触れました。

その頃住んでいた麻布十番の賃貸マンションは,六本木ヒルズと東京タワーの両方を眺められるというオシャ子もびっくりのドヤ部屋でしたが,どうも落ち着きません。

それもそのはず,私は高いところがとても苦手なのです。
そのため購入にあたってもタワマンに興味を持たず(低層階は少々検討しました),基本的には中~低層マンションを想定していました。
最終的には世田谷区の物件を購入し大満足しているわけですが,最初から同区に狙いを定めていたわけではありません。

では,このドヤ部屋を拠点として始まったマンション探しの旅を経て,私はどのように世田谷に辿り着いたのでしょうか。

まだまだ純朴だったその頃の私は,マンション購入学部1年生必修科目であるマンションポエムの朗読にも熱心に取り組んでいました。

matome.naver.jp

ただ,法学部の1年生が「善意の第三者」だの「信義則」だのと法律用語を使いたくなるのと同じように,「寄り添う」とか「静謐な」とか「住まう」が口グセになったことで反省した私は,きちんと物件概要を読むようになりました。
すると今度は「データ」にはまり,またSUUMOの次号を待ちきれないこともあって,中古古物件情報サイトで片っ端から資料を取り寄せてはニヤニヤ眺めるようになってしまったのです。

・・・これでは効率的に良い物件を絞れません。
世の中には「物件情報収集自体が趣味」という方もおられますが,私は「自分と家族が住まう静謐な部屋」を探しているのですから,データばかりに寄り添っている場合ではありません。

そんな中,たまたま仕事で「有名な高級住宅地」を歩く機会がありました。SUUMOやら資料やらネット情報やらの影響で「住宅地ブランド志向」に染まってしまっていた私は「どれほどステキなところなんだろう」とワクワクして出かけたのです。

ところが・・・なんか違う。いい所であることは間違いないけど,あまり住みたくない。ここに自分や家族が住むことをイメージできない。まぁそもそも予算を大きく超える。
こういうことが2,3回続き,ようやく当然のことに気付いたのです。
そうなんです。どんなに有名で評判が良い街でも相性があるんです。

これをきっかけに,ある程度興味を持った物件を見つけた場合には「とにかく一度最寄駅から物件まで歩いてみる」を実践するようになりました。

モデルルームを見たり内覧したりするわけではなくただの散歩ですから,予約も要らず自分の都合でふらっと行けますし,大して時間もかかりません。
もちろん物件自体の様子も眺めますが,何より街の雰囲気を感じることを目的にブラブラ歩くのです。
そして,その雰囲気が気に入らなければ,近隣で多数販売されている全ての物件を一気に選択肢から外すことができるのです。なんて効率的なんでしょう。

この勢いで,私は一気に静謐な住まいを見つける・・・はずでした。

連載の疲れが残っているので,今回はこの辺で。
続きは・・・いつになることやら。